mark 小正月行事:オサクダテ

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 現在遠野文化研究センターで展示中の及川勝穂氏の写真の中から、小正月行事の「オサクダテ」を紹介します。小正月は農作物の豊作を模した飾りつけや行事を行います。オサクダテ(お作立て)もそのなかのひとつです。
お作立ては、小屋や勝手の広間などに飾ります。お作立ての中心になるのは三段または五段の枝がついたミズキの若木で、果樹の豊作を擬した楕円の団子を小枝の末端にさし(ミズキダンゴ)、臼や米俵で支えます。その周りに下のような豊作祈願の飾りつけをします。
・粟穂(アワボ)
 葉のついた笹竹の上部に掌大の餅をつけて粟に見立てる。ミズキの幹に巻いた藁に七、八本添える
・豆木(マメキ)
 エゾ萩の木、もしくはコメの木(コゴメウツギ)の枝に、餅を小さく細く切りたくさん付けて大豆に見立て、アワボと同じくミズキの幹に添える。
・稲架(イナバセ)
 わらしべに餅を小さく切ってつけ、これを縄にさしてつるし、刈り取った稲をハセ掛けにした様子を模したもの。
・まゆ団子(マユダンゴ)
 ミズキダンゴと同じ大きさで、まゆのように中に凹みをつけた団子をわらしべの下端につけて二、三十個を束ねてミズキの大枝に吊るす。養蚕がさかんなときに、繭がたくさん取れることを祈願したもの。

このお作立ては、1月15日の早朝から女性や子供の手で半日かけて作られます。
解体する日は20日で、団子を粥に入れて炊き神仏に供えます。そのほかの餅や団子はよく乾燥しているため、夏まで保存し農繁期の間食にしていたそうです。ミズキの木は薪の長さに切り置き、雷鳴の激しいときに燃やすと落雷除けになると言われています。
カテゴリー 一枚の写真と小さな物語プロジェクト