mark イベント「もち御前」を開催しました!!

10月21日(月)に重要文化財千葉家の道具を使用したイベント「作って食べよう!千葉家のおぜんでもちごぜん」のお手伝いをしてきました。

これは、重要文化財千葉家の活用を考える会の方々が主催しており、綾織の子どもたちに千葉家で実際に使われていたお膳や石臼などを体験させるという取り組みです。

当日、子どもたちはエプロンや三角巾をして餅つきに挑戦しました。
杵が重くて上手に振り下ろせない子も多く、ぺったんぺったんというよりはぺた…ぺた…という音が多かったです。(餅も冷めると餅にならないので時間との勝負になります。)
大人の餅つきの迫力に子どもたちはびっくりしている様子でした。

次におもちにつけるくるみと黄粉を作りました。
くるみは一度あぶってから金槌を使って割り、黄粉は大豆を石臼で引くところからスタートです。

(きなこを石臼でゴリゴリしているところです)

くるみを割る作業は、一見簡単そうですがなかなか力がいる作業です。
「地面にぶつければ割れる」「力を入れて思いっきり叩けば割れる」と思っていた子どもも多いようで、そういう子のくるみはだいたい明後日の方向に跳んでいっていました。
(押さえる力が弱かったり、叩く力が弱いとくるみが跳んでいったり、割れなかったりします。)
しかし、一度力加減を覚えると子どもたちも上手に割れるようになっていきました。


(一生懸命すりつぶしたくるみ。この後、砂糖と醤油(めんつゆ)が入ってくるみあんになりました。)

餅が完成したら、自分たちでおつゆをよそって「いただきます」のあいさつです。
(奥は大人用の御前です。子どもたちは一足先にいただきまーす)

餅がメインのイベントなのにお前たち唐揚げから食うんかい(笑)

「うまーい!!」

これが当日の御前になります。
上左からあんこ、納豆、きなこ、いなり、のり、くるみの6種類です。
(さらにゴマと大根おろしが追加され最終的には8種類になりました)
千葉家を考える会のお母さんたちに作っていただいたおつゆも、子どもたちには大人気でした。
(個人的には漬物が大変おいしかったです)

今では当たり前のようにスーパーで売られている黄粉や餅も、昔の人たちは苦労して作っていたのだな、と考える良いきっかけになったと思います。
来年もまた道具を使った企画を計画中なので、報告を楽しみにしていてくださいね。

(小原)

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mark 学芸員ってこんなことしてるよ

皆さんは博物館で働く学芸員という職業をご存知でしょうか。

・学芸員の仕事って博物館や美術館で解説するアレでしょ?
・なんかよくわかんないけど何でも知ってるんでしょ?
・古いものやよく分からないものを集めたりしてるんでしょ?

皆さんのイメージとしてはこんな感じだと思います。
今回はそんな仕事内容や今行っている仕事についてちょっとご紹介します。

学芸員の仕事内容はざっくり話すと研究・調査、収集・展示普及(教育普及)・保存・管理・その他…という感じです。
実はこのその他の部分に、例えば天然記念物(動物とか植物)が死んだり枯れそうだから死体を処理したり樹木医さんを呼んだり、管理している施設にハチの巣が出来たから退治しにいったり、草が生えてきたから草刈りをしたり、特別展に向けてポスターを300枚を折る内職をしたりしています。(しかも遠野市立博物館は市が管理しているものなので、博物館の仕事だけではなく市役所のお仕事もプラスされます。ひえ)

もちろん調査や収集も行っており、市民の方から情報をもらって調査に行く、なんてこともしています。文献や古文書の記述はもちろん重要ですが、今を生きている方から聞けるお話はなんといっても貴重です。
学芸員はなんでも知っている、という風に思われますが私たちが自分で調べて知識を得るには限界があります。
(実は私たちも知らないことは主に一生懸命本を読んで調べています。博物館で所蔵している古文書などからも知識を得ることが出来ますが、とりあえず最初は今ある本を片っ端から読みます。)
特に人の生活や文化や言葉などを残す民俗学ではなおさらです。
昔から住んでいる家や大切にしているモノがある、ずっと続いている行事や風習を今も行っている、昔はこんなことがあったなあと世間話をする……実は私たち以上にその土地で暮らす方々のほうが「学芸員」に近い存在なんですねえ。

そして今現在、博物館では夏の特別展に向けて準備の真っ最中です。
当館は夏と冬に大きな特別展を開催しているので、今の時期非常に忙しいです。やばいです。
まずテーマを決め、展示する資料を決め、展示方法を決め、資料を借りる場合はどこの博物館に借りるか決め、実際に資料を見るために出張に行き、その博物館と交渉・相談し、その間に特別展のチラシ・ポスターのデザインや載せる情報を決め、また戻って資料を借りに行く日程を決めつつ必要ならば美術品専用輸送車の手配をし、さらにその間に発行する特別展の本の制作に取りかかります。ちなみにこの間にチラシやポスターも出来上がってくるので全国にばらまいたり、特別展略して特展以外のイベントを計画したり、
他所の課のお手伝いに駆り出されたりします。

ね、すごいでしょ。

ちなみに当館では博物館を担当する職員は全部で3人しかいないので、3人で一生懸命ぐるぐる仕事をします。
現在博物館の職員は全国的に減少傾向にあります。
(きっと、大した事してないから少ない人数でもどうにかできるだろ?とか思ってる方がどっかにいるんでしょうね。)
さらに学芸員は年齢を重ねてからも活躍できる仕事なので、若い学芸員が育ちにくいという点もあります。

そんなこんなで今は夏の特別展の準備中です。
今年のテーマは「遠野の神様」
普段、個人の家で祀られている遠野物語に出てくる神様も展示しますので、この機会にぜひご覧ください!!

カテゴリー その他, 博物館

mark にゃにゃにゃ!ポストカード!!

先月1月から新しく、動物写真のポストカードを販売しています。
この写真は遠野の写真家、浦田穂一氏が撮影したもので、動物の表情や繊細な動作など、その瞬間を見事に捉えた写真になっています。
モノクロ写真とカラー写真、あわせて全8種類です。
猫のほかにも犬やヤギ、スズメなどもあります。
思わず笑ってしまうような動物たちのポストカードは、1枚100円で遠野市立博物館の受付で販売中です。
ぜひ、お立ち寄りください!!
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mark 博物館実習お疲れさまでした

遠野市立博物館では8月の末に学芸員の資格取得を目指す学生さんのために、博物館実習を行っております。当館は特に学部や専攻について制限を設けていませんので、毎年様々な学科や専攻の学生さんがやってきます。
今年も1週間行った実習の中から少しだけ内容について、ご紹介します。

まず初めに資料の取り扱いについて学びます。
博物館や美術館、その館によってやり方は違いますが、基本は一緒です。
実習生達は調書(他館から資料などを借りる際に、双方で確認しながら書く確認用の紙です)の取り方や、資料の梱包の仕方、梱包材の作り方まで学びます。
(綿を中性紙である薄葉紙で包んで梱包材を作っている様子)
学芸員日誌 1

調書の取り方や資料の取り扱い方は、とても丁寧でしたが梱包材作りに思いのほか四苦八苦していたのが個人的には印象的でした。

また今回は、市内の中学生に対して実際に解説業務を経験してもらうため、初日に解説の練習をしました。実習生達はそれぞれのコーナーを担当して解説します。今回はコーナーごとの解説になりますが、通常学芸員は全ての展示室を解説出来なければなりません。1つの資料に対して10、20の事を知っていることは学芸員としては当たり前ですが、限られた時間の中で特に伝えたい事を精査し、伝える相手によって内容の伝え方を変えていかねばなりません。(小学生なら分かりやすい言葉で、遠野が初めての人は遠野についても一緒になど)
実習生達は限られた時間の中で、どこを伝えるか吟味しているようでした。また、やはり緊張してしまうのか全体的に声が小さめになってしまう実習生もいて、そこを反省している実習生も多くいました。
(解説は簡単なようで意外とむつかしいのだ!!頑張れ実習生)

学芸員日誌 4

そして当館に来る実習生の最大の目的と言っても過言でもない、刀剣実習も行いました。
刀剣の手入れは手順こそ簡単ですが、刀の種類によって柔軟性が求められる作業です。
しかし、実習生は真剣に刀を手入れしていきます。(当館には実戦で使用した刀もあるので、刀を受けた際の傷などもこの時に説明していきます)

学芸員日誌 3
刀の手入れは本数をこなせば上手く出来るようになるので、あまり機会はないと思いますが、是非覚えておいてほしいです。

その他、埋蔵資料の注記や拓本を取ったり(拓本とってます↓)

学芸員日誌 2

教育普及事業の一環である、勾玉作りを実際に体験したりしました。
(教育普及活動も博物館の大切な業務であり、それを自分達が身をもって体験することはとても大切なことです)

今年は計7人の実習生が博物館実習を終えました。
学芸員にならずとも、今回の実習は社会人になった時に何かの役に立つかと思いますので、是非糧にして頑張ってほしいです。(博物館にもまた遊びに来てね)

1週間、大変お疲れ様でした!!

 

(小原)

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mark 【大修復!劇的ビフォーアフター】

   国の重要文化財に指定されている「千葉家住宅」は、現在約十年がかりの大修理工事が行われています。その現場の一部をご紹介します。

風呂【小】          千葉家釜跡

Before                                                    After

  After画像の中央は昭和49年に設置された五右衛門風呂があった跡です。ここで薪を焚いて風呂を沸かしていました。長年の炎で土が赤く焼けているのが判ります。手前の洗い場だったところを発掘すると、馬釜の跡が見つかりました。ここは、人が住んだ母屋部分と厩の間にあたる土間であるため、馬も暖を取れるよう設置されました。THE家。

 

ウチニワ7-1【小】           曲がった梁   

Before                                                       After

  昭和の改造で取り付けられていた鴨居の裏にはうねった梁が。絶妙なラインですね。

 

二階東6アップ          新聞広告

Before                                    After

  かつて2階の座敷は主人一家が寝起きする部屋だったそうです。ガラス戸奥の壁紙を剥がすと明治41年発行の新聞が。当時のレトロな広告にしびれます。これによりこの部屋の改造が明治頃に行われたということがわかったそうです。
写真には写っていませんが、この壁の反対側の壁には何やら不穏な落書きが…。

 

主屋_外11【小】         DSC_0018

Before                                                     After

  なんということでしょう!千葉家のシンボルである大きな茅葺が剥され、巨大な骨組みが姿を現しました。こうしてジャングルジムのように組み上げる構造は曲り家では珍しく、特徴の一つに挙げられます。アステカのピラミッドみたいですねえ。
座敷の外側にあたる左下の壁だけ土壁が施されていないことにお気づきでしょうか。詳細は不明ですが、「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という俗信によるものとのことです。

 

ウチニワ4【小】         番付

Before                                                  After

  指で示した数字は「柱番付」です。主要な柱に墨で記され、効率的な組み立てや平面図上で位置を正しく把握するのに用いられます。

 

土蔵1【小】          板葺

Before                                                  After

  高い足場が組まれる工事中しか拝めない!瓦を剥いだ蔵の屋根です。元々の屋根の姿が現れてきました。今では高価なクリの板で葺かれています。ここまで歪みもなくきれいな状態で保存されているのは貴重だそうです。この蔵は2階建てと3階建てがくっついていて、2階建て部分は主に食糧庫、3階建て部分は書庫や貴重品入れとして使用されていたようです。

  8月5日には現場見学会が開催され、匠たちによる解説も行われます(要予約)。貴重な機会をお見逃しなく! →<第二回千葉家保存修理工事見学会チラシ>

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