mark 【平成30年 遠野文化賞・佐々木喜善賞受賞者】


  遠野の豊かな文化資源を発掘、調査研究、伝承または活用し、文化の振興に寄与したものを表彰する「遠野文化賞」、遠野に関する自由な表現作品を表彰する「佐々木喜善賞」の受賞者が決定しました。

 

◆遠野文化賞

受賞者 呉密察(台湾国史館館長)・胡家瑜(※)(国立台湾大学教授)夫妻

≪選考理由≫
  呉密察氏は、1956年台湾台南市生まれ。台湾史、日本近代史を専門とする歴史学者。
台湾大学文学部卒業後、東京大学大学院で博士課程修了退学。1997年、「国立台湾大学蔵伊能文庫目録」出版により、国立台湾大学図書館に収蔵されていた伊能嘉矩文庫を解明した。台湾大学教授、台湾歴史博物館館長を経て、2016年から国史館館長。
 胡家瑜(※)氏は、1961年台湾台北市生まれ。台湾原住民研究を専門とする人類学者。ロンドン大学大学院人類学博士。1998年、台湾大学人類学系に収蔵されていた伊能収集資料を整理研究し、「臺大人類学系伊能蔵品研究」の出版によりその全容を解明した。国立台湾大学人類学系兼任教授、同大学人類学博物館長。伊能嘉矩に関する論文に「植民脈絡下臺灣原住民物質文化的収蔵與展示―従馬偕到伊能嘉矩」(2002)などがある。
 呉密察氏・胡家瑜(※)夫妻は、台湾大学の伊能嘉矩資料の全貌の解明に尽力し、伊能の再評価につながる契機を作った。これらの資料は、現在、国立台湾大学のWebデータベースで全世界に公開され、伊能嘉矩の業績を国際的なものに高めている。
 また、2017年に伊能嘉矩生誕150年の節目を迎えるにあたり、2016年11月に台湾大学人類学系と遠野市が文化交流協定を締結、続いて2017年8月には同大学図書館との文化交流協定を締結した。その際、胡家瑜(※)氏は同大学人類学博物館長として遠野市立博物館特別展「伊能嘉矩と台湾研究」の開催にも協力し、呉密察氏は遠野市において記念講演を行い、あらためて伊能嘉矩の業績と今日の評価を紹介して、遠野市と台湾の新たな文化交流への道筋をつけた功績は顕著である。

(※)瑜は旧字体

 

◆佐々木喜善賞(遠野文化奨励賞)(応募作品78件)

◇佐々木喜善賞 3件

①受賞者   多田欣也(千葉県)
  受賞作品 少年少女向絵物語「石倉丁奇譚」
 選考理由 児童文学者の坪田譲治の作品を彷彿とさせる傑作であり、挿入絵もすばらし
        い。古い遠野の暮らしぶりをよく踏まえているところも評価できる。

②受賞者   沖義裕(東京都)
  受賞作品 論文「遠野における森林の変遷」
 選考理由  論文としての視点が面白く、データも丹念に集めている。『遠野物語』と遠野の
        森林利用を関連させた考察は貴重なものである。

③受賞者   菅野麻衣子(宮城県)
  受賞作品 絵画「スターゲイザー」
 選考理由  表現として魅力があり、『遠野物語』のオシラサマの物語を独自の解釈で再構
        成している。少女が初めて恋するものは必ずしも人間の男ではないことに気付
        かせてくれ、『遠野物語』を新たな視点で読み直せる可能性をも示してくれた。

 

◇佐々木喜善賞「特別賞」1件

  佐々木喜善賞には通常「特別賞」はないが、今回の応募作品の中で最後まで選考に残り優れた作品であった下記の1点に対し、今回のみ特別賞を設けて表彰する。

受賞者  水口優明(岩手県)
受賞作品 論文「佐々木喜善とハリストス正教会」
選考理由 佐々木喜善の新たな側面を知る上で興味深い。本人も決定的なところにたどり
       着いていないと述べているように未完なところがあったが、今後の佐々木喜善研
       究のさらなる発展を期待する。

 

  遠野文化賞、佐々木喜善賞の表彰は8月19日(日)に開催する「遠野文化フォーラム」で行います。遠野文化フォーラムについてはこちらをご覧ください。
<平成30年度遠野文化フォーラム「なぜ、遠野はカッパなのか?」を開催します!(リンク)〉

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