mark 第2回土曜講座「江戸時代の遠野‐『遠野古事記』から」報告


日時:平成28年6月18日(土)  10:00~11:30 場所:市立図書館 視聴覚ホール 講師:大橋進(遠野市史編さん委員会委員長) 内容:「江戸時代の遠野-『遠野古事記』から」 報告:  平成28年土曜講座第2回は、遠野学叢書第6巻『遠野古事記』を題材に江戸時代の遠野について遠野市史編さん委員会委員長である大橋進先生に講義していただきました。  『遠野古事記』は宝暦13年(1763)に遠野南部家の家臣、宇夫方広隆によって書かれました。遠野南部家の記録だけでなく、町の様子や生活習慣などが記されており、当時の遠野を知ることができる貴重な記録です。今回新しく出版した遠野学叢書の『遠野古事記』は遠野の郷土研究の先駆者・伊能嘉矩が柳田国男の蔵書を書き写したものを翻刻しました。  講座ではまず、江戸時代に書かれた『遠野古事記』が、柳田や伊能が関わった「明治期における再発見」を経て南部藩に関する史料を集めた「南部叢書」に収録され、「遠野学叢書」として刊行されるまでの経緯が話されました。また、南部直栄(直義)公が八戸から遠野へ移封を命じられた経緯、直栄公の嫡子義長公の人柄が素晴らしく、衆人から称賛されていたことなどを紹介しました。  最後に先生は「著者の宇夫方広隆は、戦国期の気風が薄れ、「遠野風」というしきたりが確立していく時代の転換期に生きてきたことを自覚していた。古い時代と新しい時代を書き記すことで、遠野郷に生活する人々が共有できる「地域意識」を育むことを意図していたと考えられる。「過去の歴史を学ぶ」ということは「地域意識を持つ」ということで、それが「郷土愛」へとつながる。それを知っていた宇夫方広隆は遠野のためになると思って『遠野古事記』を記したのだろう」と語りました。  赤坂所長は「『遠野古事記』が遠野南部家の公式の歴史書でないことに驚きました。この本は近世半ばの遠野の民俗誌であり、政治の正当性を述べるものではない。この本を読むことで遠野の歴史に携わる新しい世代の人が育っていくのではないでしょうか。この本から遠野の学びが始まり、育ち、巣立っていくことを願っています」と最後に語りました。  DSC_0013 DSC_0008

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