mark 遠野文化フォーラム 報告 ≪※終了しました≫


【遠野文化フォーラム・1日目】 日時  平成27年8月22日(土)開演13:00(開場12:30) 場所  あえりあ遠野 交流ホール 入場料 無料 内容      *表彰/遠野文化賞    *遠野遺産、遠野こだわりの「語り部」認定証交付式    *遠野遺産活用 事例報告    *映像報告/       「東日本大震災を乗り越えて ―岩手県沿岸部の民俗芸能 復興の現状」 東北文化財映像研究所所長 阿部武司    *公演/「瓦礫の下から唄が聴こえる」   詩人 佐々木幹郎、津軽三味線奏者 二代目高橋竹山、 ピアニスト 小田朋美    *シンポジウム/「鎮魂と芸能」      コーディネーター 赤坂憲雄       パネリスト 佐々木幹郎、阿部武司、三浦佑之、西舘好子 報告:  遠野文化フォーラム1日目「鎮魂と芸能」を8月22日、あえりあ遠野(遠野市新町)で開催しました。  始めに、遠野の豊かな文化資源を発掘、調査研究、伝承または活用し、文化の振興に寄与した方を表彰する「遠野文化賞」の表彰を行いました。今年度の受賞者は、遠野物語ファンタジー制作委員会です。同委員会は、柳田国男の『遠野物語』や佐々木喜善の『聴耳草紙』、地域に伝わる民話を題材に、脚本・演出をはじめ、キャスト、大道具、衣装、音楽、バレエ、郷土芸能など、市民手作りの総合創作舞台を行っている「遠野物語ファンタジー」の主催団体で、市民の文化活動の促進、発展に尽力してきたことが認められました。  その後の認定書交付式では、新たに認定された遠野遺産と、遠野こだわりの「語り部」に認定証が手渡されました。これで、語り部認定者は744人、遠野遺産は143件となりました。遠野文化賞受賞者と新たに認定された遠野遺産は以下の通りです。 遠野文化賞 遠野物語ファンタジー制作委員会 (事務局:一般財団法人遠野市教育文化振興財団) 遠野遺産  第142号 伊勢両宮神社と松尾神社(遠野地区)       第143号 牛頭天王の石碑(小友地区) 第75号 藤沢の滝と應瀧神社(追加認定)(小友地区)  遠野遺産活用事例では、松崎3区 区長の須藤義幸氏が、平成21年に遠野遺産第86号として認定された「清心尼公の碑」について報告。須藤氏は「熱意と汗で未来へ伝える~清心尼公の心」と題して、清心尼公の善政を忘れまいと建てた記念碑が、長年の風雪にさらされ環境が悪化していたため、地域住民が協力して改修・環境整備したことを写真を使いながらわかりやすく説明しました。  続いて、東北文化財映像研究所所長 阿部武司氏が「東日本大震災を乗り越えて―岩手県沿岸部の民俗芸能 復興の現状」と題して報告。「復興には長い年月がかかると言われている中、震災後半年で復活する芸能もあった。そういった震災を乗り越えて復活していく芸能や祭りを映像で残していきたい」と岩手県の沿岸被災地の郷土芸能の現状を映像を交えて報告しました。  公演「瓦礫の下から唄が聴こえる」では、詩人 佐々木幹郎氏、津軽三味線奏者 二代目高橋竹山氏、ピアニスト 小田朋美氏によるお話と演奏が披露されました。 休憩の後には、詩人 佐々木幹郎氏、東北文化財映像研究所所長 阿部武司氏、遠野文化研究センターの赤坂憲雄所長、同顧問 三浦佑之氏、西舘好子氏による「鎮魂と芸能」と題したシンポジウムが行われました。2011年の東日本大震災を踏まえながら「鎮魂」と「芸能」について、様々な視点から語り合いました。三浦氏は「語りや芸能は、生きている者だけではなく死者に対しても行っていて、それによって魂が交流している」と語り、西舘氏は「悲しみや祈りが、歌や踊りになってきた。それらは暮らしの中にあり、そこに鎮魂もあるのではないか」と語りました。阿部氏は「念仏踊りや鹿踊りなどの背景には、死者への思いと祈りがあるのだから、被災地で次々と芸能が復活するのは当たり前だとして、この震災で芸能が持つ本来の意味と力が発揮された」と話しました。佐々木氏は二代目高橋竹山さんと三陸を行脚した時に感じたことを、自らの体験と地域の人に聞いた話を交えながら語りました。赤坂所長は最後に「今回のテーマは難しかったが、皆さんとの語り合いの中に大切な考えが混ざっていた、それで十分だった」とまとめました。 遠野市長から遠野物語ファンタジー制作委員会へ遠野文化賞の授与 鎮魂と芸能について語る(左から赤坂所長、佐々木氏、阿部氏、西舘顧問、三浦顧問) 【遠野文化フォーラム 2日目】 日時  平成27年8月23日(日)開講9:30(開場9:00) 場所  遠野みらい創りカレッジ(旧土淵中学校「音楽室」) 入場料 無料 内容  *研究報告         *シンポジウム/「花とイナウ-東北からアイヌ文化を考える」            コーディネーター 赤坂憲雄            パネリスト 三浦佑之、北原次郎太、今石みぎわ 報告:  遠野文化フォーラム2日目を8月23日、みらい創りカレッジ(旧土淵中学校「音楽室」)で開催しました。当日はあいにくの空模様でしたが、約80人が来場しました。  シンポジウムの前には、東京文化財研究所研究員の今石みぎわ氏と、北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授の北原次郎太氏による研究報告が行われました。  今石氏は、柳田國男の「花とイナウ」から、ハナと言われる削りかけや、アイヌのイナウとのつながりを説明。削りかけの持つ意味や、削りかけが全国にあるという事例について語りました。北原氏は、アイヌのイナウの事例をもとに、イナウは日本独自の文化ではなく、世界にも似たような事例があり、世界と日本のつながりを紹介しました。  その後、先ほどの二人に加え、赤坂憲雄遠野文化研究センター所長と三浦佑之同顧問による「花とイナウ-東北からアイヌ文化を考える」と題したシンポジウムが行われ、ハナとイナウという似た意味を持つ二つの文化の共通点や違い、その文化が生まれた背景などについて議論を深めました。 赤坂憲雄所長は最後に「柳田國男の「花とイナウ」という土壌があったからこそ、この研究が生まれた。現地に行くなど広い視野を持つことで柳田の考え方とは違う別の解釈が生まれるのではないか」とまとめました。 北原次郎太氏による研究報告 花とイナウについて語り合う(左から赤坂所長、今石氏、北原氏、三浦顧問)

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