mark 小正月行事


七草粥も終わり、来週は小正月を迎えます。 遠野物語に「小正月の晩には行事はなはだ多し」とあるように、1月15日前後にはさまざまな小正月行事があります。 ・お立木(オタテギ) 庭などに立てた栗の木の杭に三尺~五尺の楢や松の薪を副木として飾り、神聖なものとして信仰する行事。立てる日、場所、解体の日は地域によって異なる。 小友町鳴沢では12月20日に栗の木を切って新しく杭を作り、1月14日に飾りつけを行う。弓矢は南側に向ける。二月の年祝いに「お立木の帯とき」といって解体し、杭は稲架として、副木は夏の繁忙期の薪として使用する。 ・お作立て 「ミズキダンゴ(色つきのダンゴで果物に見立てる)」 「アワボ(モチをアワに見立てる)」 「ヒエボ(ワラの先にダンゴをつけてヒエに見立てる)」 「マメギ(コメの木に挿した小さなモチを大豆に見立てる」 「イナバセ(ワラ数本を結わえたものに小さく切ったモチをつけて稲のハセに見立てる)」「マユダンゴ(ワラの先に挿したダンゴを20個ほどまとめて蚕の繭に見立てる)」 豊作を祈願してこれらを飾り付ける。 ・成り木  夕顔や南瓜の豊作を祈願して作る。お作立ては女が作り団子や餅で飾り付けるが、成り木は男が作り、栗や胡桃の若木を夕顔、馬の沓を南瓜に見立てて飾りつける。 ・ナモミタクリ、ヒカタタクリ  ヒョウタンの中に小刀を入れてからからと鳴らし、火にあたってばかりの怠け者の脛にできたヒカタ(火斑)を小刀で剥いてやろう、と言いながら家々を廻る者があり、これが門前に来たら餅を出して詫び言をし、帰ってもらう。 ・女の年とり  小正月は「女の年とり」とも呼ばれた。鞍や納屋のねずみにも「嫁子餅」を与えたり、家の中の諸道具も年とりなので餅を供えた。 ・狼の餅、狐の餅  ワラヅトに餅を入れて山の麓や木の枝に結び付け、狼に餅を与えた。狼ではなく狐に餅を与えるところもある。 ・カラス呼ばり  子どもたちが、小さく切った餅を持って「カラス、カラス、餅やるから来い、来い」と鴉を呼ぶ。 ・ナマコすり、又はナマコ引き  「ナマコどののお通り、もぐら殿のお国替え」などと唱えながら、海鼠を炭俵に包んだり馬沓に乗せて引いて回ると、もぐら除けになると言われていた。 ・ヤロクロ  「ヤロクロ飛んでくる。銭こも金こも飛んでくる。馬こ持ちの殿かな、ベココ持ちの殿かな。豆の皮もほがほが、蕎麦の皮もほがほが」などと唱えながら、家の主人が玄関と門の間を三往復しながら豆の皮や蕎麦の皮を蒔く。『ヤロクロ』は遠野南部家の南部弥六郎という殿さまのことで、八戸から遠野へ国替えになって入部して来たことを祝った行事がもとになっているという。 ・お田植え 松の葉を雪の上にさして田植の真似事をし、豊作を祈願する。 ・福の神、春駒、畑蒔き、田植  夕食後に子どもたちが少人数のグループで家々を廻り、餅や小遣いなどをもらう。 ・成木責め  一人が果樹の幹を斧で叩きながら「良い実がならなからば切るぞ」と言うと、もう一人が「よい実をならせるから許してたもれ」と答え、来年の実りを果樹に約束させる。 ・カセギドリ  村の若者たち2,30人がグループを作り、他の村の豪農宅へ行き鶏の真似をしながら餅を貰う。その村の若者たちは、他村のグループが餅を持って行くのを阻むために水をかけて応戦する。また、違う村のカセギドリたちが道の途中で出会った場合も、鶏の真似をしたあとに闘争し、勝った方が負けた方の餅をすべて奪ってしまう。 ・窓ふさぎ、又はヤツカカシ  小正月の夜や冬の満月の夜は雪女が、小正月の夜半過ぎには山の神が出てくると伝えられ、宵を過ぎると皆家の中に入り、栗の若木の枝を五寸くらいの長さに切って、餅、魚(たづくり)、昆布などを挟んで家の窓や入口にさして魔除けにした。 ・月見、又は年占い  六つの胡桃の実を十二に割り、全て炉の火にくべて、胡桃の実の状態で月毎に占う ・世中見、又は作見  いろいろな米で鏡餅を作り、それらの米の上に作った鏡餅を乗せて一晩置き、翌日餅についた米粒の多い銘柄が豊作になると考えられた。 かつては一日でこれだけの行事をこなしていたのだそうです。小正月行事が手早く済まされなければ一年の仕事が遅れると伝えられ、一家総出で取り掛かったといいます。 翌日以降も「鳥追い」「オシラアソバセ」「田植踊り」などが続きます。 現在では廃れてしまった行事もありますが、地域ごとにいまも伝えられ続けられている行事もあります。 また、遠野ふるさと村や伝承園ではこういった伝統を残すため、さまざまな小正月行事を行っています。 家では難しくなってしまった行事でも、ふるさと村や伝承園の行事に参加すれば、気軽に体験できます。ご興味を持たれた方はぜひご参加ください。 1月11日(日) みずき飾り(遠野ふるさと村リンク) 1月15日(木) 冬だより~小正月~(伝承園リンク) 【松浦】

カテゴリー 遠野の習俗