mark 鞍迫観音


先日、『遠野学叢書』出版のため遠野七観音の一つ、鞍迫観音に行きました。 遠野市宮守町上鱒沢にある鞍迫観音は遠野七観音の第四番札所で、仁寿2年(852)に慈覚大師が十一面観音を自ら刻んで安置したことに始まるといわれています。江戸時代の万治2年(1659)に観音堂が全焼し、現在のものは寛文10年(1670)に再建されたものです。その火災により観音像の表面は黒く炭化し、今でもその状態で堂内に安置されており、昭和52年(1977)に当時の宮守村有形文化財に指定されています。 また、観音堂は、古式な構造から岩手県における仏教建築史上、文化的価値が高く貴重であるとして、平成6年に県有形文化財として指定されています。 上鱒沢地区では「おかんのんさん」と呼び、毎年7月にはお祭りを開くなど、地域に密接した社として親しまれています。 遠野七観音とは、伝承によると、嘉祥年間、今から1050年ほどの昔、慈覚大師が諸国を巡って仏教を広めていたとき、この遠野郷で一本のカツラの霊木を見つけ、その木から7体の観音菩薩の仏像を刻み、7ヵ所にお堂を作り安置したというのです。また、一昼夜のうちに七観音をめぐると願いがかなうともいわれています。

鞍迫観音堂です。

4月の学芸員日記にて紹介した栃内観音も遠野七観音の一つで、鞍迫観音は遠野遺産4号、栃内観音は遠野遺産6号に認定されており、地域の方々に大切にされています。 遠野にお越しの際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 [田澤]

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