mark 特別展「伊能嘉矩と台湾研究」の見どころ

平成29年7月21日(金)から特別展『伊能嘉矩と台湾研究』が開催されています。
7月21日(金)~9月24日(日)までは第1期になります。
今回はその見どころを紹介します。

学芸員日記用①

◆台湾大学から借りてきた伊能が収集した当時の原住民の資料!!
今回の展示は台湾にある台湾大学や、台湾大学図書館から伊能が台湾を調査した際、
収集した資料を借用し、展示しています。
今回の資料が展示されるのは約90年ぶりになります。

皆さんは原住民と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
裸に腰巻?肉を丸かじり?槍を持っている?
伊能が調査した当時の台湾原住民はとってもオシャレです。
部族によって服装は異なりますが、女性は髪を束ね布を巻き、アクセサリーなどを身に着け、服にも何枚も布を巻いています。男性もその部族の民俗衣装などを身に着けています。
また台湾原住民の服装は刺繍が細かく施されたものも多く、現代の私たちが見ても「素敵だな」と思う物も多いです。
残念ながら借用した資料の写真をこちらに掲載することはできないので、是非博物館で実物をご覧ください。
※なお、台湾からの借用資料は第1期のみの展示になりますので、お早めにご覧ください!

◆伊能の研究に対する姿勢が伺える資料!!
今回の展示では伊能家から寄託されている資料や当館で所蔵している資料なども展示しています。
中には伊能が台湾原住民を研究するにあたり自ら製作した調査の詳細な分類や、台湾原住民を調査する際の決意などが記載された文書、記録も展示しています。
伊能は研究に対し、大変な熱意と意欲を持ち、そして正確に記録しようと努めた人物でした。
その研究姿勢や論文は柳田國男など多くの研究者に影響を与えています。
柳田國男も絶賛する「伊能嘉矩」とはどのような人物なのか、ぜひその人柄を感じて行って下さい。

◆原住民族の写真!
展示の中には原住民族を映した写真も展示しています。
伊能が台湾を調査した当時は、治安もさることながら、厳しい自然やマラリアなどの病気の他、野盗や首狩りの風習から身を守らなければなりませんでした。
首狩りと聞くと野蛮だなと感じる方もいるかもしれませんが、首狩りの風習があった台湾原住民にとっては、とても重要な儀式のひとつでした。
今回はその首狩りの風習の様子や、原住民の伝統楽器を演奏している様子、踊りを踊っている様子などその当時の原住民写真も展示しています。

◆伊能だけじゃない!台湾に渡った岩手県の先人!!
今回はさらに伊能嘉矩の他に、台湾に渡った岩手県の先人として後藤新平と新渡戸稲造の資料も展示しています。(後藤新平の資料は後藤新平記念館よりお借りしました。後藤新平に関してより詳しく知りたい方は、是非記念館へ!)
後藤新平は明治31年(1898)に台湾総督府民政長官となり、経済改革と当時台湾で社会問題になっていた阿片の取締りを行いました。
また新渡戸稲造は、後藤新平に招かれ、明治34年(1901)台湾総督府民政部殖産局長心得に就任します。そこでサトウキビやサツマイモの普及と改良に大きな成果を残しています。

(おまけ)私、頑張りました!!伊能のパネル!!

学芸員日記④
今回の展示は子どもには少し難しい展示になってしまいましたので、少しでも伊能嘉矩に親しみを持ってもらおうと、等身大パネルを製作しました。ちなみにこれは明治34年(1901)に台湾にて撮影した写真になります。
特別展が行われている展示室は写真撮影禁止ですが、このパネルは写真撮影OKですので、是非皆さん色々なポーズをきめて伊能さんと一緒に写真を撮ってくださいね。

(小原)

カテゴリー お知らせ, 博物館

mark 【田植えをしました】

  遠野在住の知人が管理する田んぼで人生初の手植えを体験しました。当日は、あいにくの曇り空で風も冷たい日でしたが、私は素手・素足で挑戦しました。
苗を片手にいざ田んぼに足を踏み入れると・・・な、なんだこの素敵な感触は!!適度に水を含みぬったりと重たくなった泥が私の足に纏わりつくではありませんか!!しかもほんのり温かい・・・。
田植枠という木製の農具を転がして印をつけ、それに沿って植えていくのですが、いつの間にか植える間隔がずれてしまったり、泥に足を取られて転びそうになったりと楽しいながらも難しい作業でした。機械がない時代は全てこうして植えていたのですね。自然の恵みと農家の方々に感謝してご飯を食べたいと改めて思いました。

田植え写真① (1)  田植え写真②

 

カテゴリー その他

mark 伊能嘉矩誕生日おめでとう!

先日5月9日に「伊能嘉矩生誕の日」としてイベントを行いました。
(5月9日は伊能嘉矩の誕生日なのです。)
この日は博物館を無料で見学できるという事で、朝早い時間から多くのお客様がご来館されました。
また午後に行った初心者向け講座「伊能嘉矩の生涯」ではたくさんのお客様にご参加して頂きました。当館の学芸員が分かりやすく伊能嘉矩の生い立ちや功績を講義した後、博物館に移動し実際に伊能に関係する資料を見ながら解説を行いました。がく3

がく4

がく1
参加者の皆さんは、初め伊能嘉矩について分からないようでしたが、講義を受け実際の資料を見ると、大変熱心に見学し疑問に思ったことを学芸員に質問したり、自分の考えをほかの参加者の方と話し合ったりしていました。

次の伊能嘉矩に関係するイベントは遠野文化研究センターの土曜講座になります。
テーマはずばり「伊能嘉矩と女戦国大名 清心尼」です。
清心尼(せいしんに)は遠野南部氏21代目の女の殿様です。
名前は子子(ねね)ですが、夫である20代目直政が亡くなってから尼となり清心という名になりました。その名の通り良く政治を治め、この時代にしては斬新な政策も行っております。
そんな清心尼と伊能嘉矩について当日は当館職員が講義を行います。

皆さんのご参加をお待ちしております。

お申し込み先(※お電話でお申込み下さい)
遠野文化研究センター 調査研究課
電話 0198-60-2800

(小原)

カテゴリー まつり・イベント, 博物館

mark 今年は伊能嘉矩の年

名称未設定 1

皆さん、お久しぶりです。

年度末は新しい職員を迎える準備やインターネットの利用方法が変わるなど、さまざまなことが事務所で起こりまして、学芸員日記の更新が滞ってしまいました。大変申し訳ありません。
また今年もちょこちょこと若手の職員が更新していきますので、よろしくお願いします。

さて、5月9日は伊能嘉矩生誕の日です。2017年で生誕150年になります。「伊能嘉矩について知らない」という方も多いと思います。
伊能嘉矩(いのうかのり)は慶応3年(1867)に横田村新屋敷(現在の遠野市東舘町)に生まれました。明治27年(1894)4月に東京人類学会例会で「オシラ神に就きて」を講演し、翌月の東京人類学雑誌に「奥州地方に於いて尊信せらるオシラ神に就いて」を発表しました。また、明治28年(1895)、日本の新しい領土となった台湾に渡り、台湾総督府の嘱託などをしながら、各種族の言語・習慣・生活様式・地理・歴史等についての調査に情熱を傾け、明治38年(1905)に帰国するまでの10年間に『台湾蕃政志』をはじめ、図書・雑誌・論文等、膨大な量の著述を行いました。遠野に帰郷後は『台湾文化志』などの台湾調査の原稿をまとめたほか、遠野の歴史と民俗の調査を行い、『上閉伊郡志』『遠野史叢』『遠野方言誌』等の執筆に打ち込みましたが、大正14年(1925)、台湾で感染したマラリアの後遺症の再発で永眠しました。

これだけ聞くとまるで神童のような印象を受けますが、実はヤンチャな面があったり、自分がおかしいと思ったことをはっきりと主張する強い意志を持った努力の人物なのです。

伊能嘉矩についてもっと知りたくなったあなたは是非5月9日(火)に行われる「初心者向け講座&ギャラリートーク」にどうぞ!
当館の学芸員が伊能嘉矩についてわかりやすく説明した後、実際に博物館内に展示されている伊能嘉矩の資料を解説付きで見学することが出来ます。
時間は
①午後1時半~午後2時半
②午後6時半~午後7時半
と2回、遠野市立図書館の視聴覚ホールで開催します。
平日ですが、仕事が終わったあとでも参加できる時間帯になっていますのでアフターファイブにも最適ですよ!

皆さんのご参加お待ちしております!!
お申し込みは遠野市立博物館まで
電話 0198-62-2340

(小原)

カテゴリー お知らせ

mark 特別休館日のお仕事

あけましておめでとうございます。

本年も遠野文化研究センターをよろしくお願いします。

 

今回の学芸員日記は図書館・博物館の特別休館日の業務についてです。

図書館と博物館には11月24日から30日まで特別休館日があります。(博物館は1月28日~30日も資料特別整理日です)

博物館ではマルチスクリーンやタッチパネルなど主に機器の点検を行っております。さらに展示されている民具の掃除も行います。木製の民具は渇き過ぎると割れてヒビが入ってしまい、湿気が多すぎてもカビが生えてしまったりするので管理が大変な資料です。

また図書館ではこの休館日に職員全員が総動員して蔵書の点検を行います。学芸1

(点検のために積まれた本たち)学芸3

図書館外の施設や収蔵庫にある約17万冊の本の点検を7~8人でひたすら機械で本のバーコードを読み取っていきます。

また季節やテーマを決めたコーナーも製作していきます。

(クリスマスツリーを組み立てる職員)学芸2

 

毎年この時期の図書館職員はとても忙しく、それでも一週間できちんと点検を終える仕事の速さに感心してしまいます。

特別休館日期間はせっかく来て下さったお客様にご迷惑をかけてしまいますが、裏ではこんなに頑張っている職員がいるという事も心の片隅にちょこんと置いておいて下されば嬉しいなあ。

(小原)

カテゴリー その他